事務局・いつき: 用治さんのノートはここで終わっています。
用治さんが残したノートは、何人かの手を経て、今は第三分校事務局が持っています。もしかすると何冊か抜けているかもしれません。
私はもちろん用治さんと会ったことはありませんし、森水学園本校校舎も見ていません。
私が事務局担当としてこのWEBサイトを作り始めた頃、一度、本校がかつてあった場所を訪ねたことがあります。
校舎は跡形もなく、敷地全体がきれいに整地され、色鮮やかな樹脂塗装を施されたランニングトラックまでありました。
何のために作られたのかよく分からないその運動公園のような場所には、私の他には誰もいませんでした。
敷地の中央付近に立ってみましたが、用治さんのいた用務員室がどのへんだったのか、「石」はどのへんにあったのかは分かりませんでした。
南東の方角には山波が見えます。
用治さんは今もあの山のどこかで、石と一緒に眠っているのかもしれない。
もしかすると、用治さんが最後に残した小説風の文章につけたタイトルのように、今は「石」になっているのかもしれない。
少し霞がかかった山波を見つめながら、ふとそんな想像をしてしまいました。
これを書いている今は2022年2月です。
今まさに、用治さんのノートに書かれていたような「終末」が進んでいるように思えますが、私には何もできません。
用治さんの心境にはほど遠いですが、せめて用治さんが残したノートの内容をこうして公開し、あとは心の健康をなるべく保てるよう、笑いや娯楽を忘れずに暮らしていきたいと思います。
ここまで読んでくださったみなさまも、どうぞご安全、ご健康で過ごせますように。
(事務局・いつき)
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