33 形容詞節 練習問題



郷センセ  今回は最後の練習問題なので、ちょっとだけ趣向を変えて、英文解釈や選択問題も入れてみた。サラッとしか説明しなかったことも出てくるので、できなくても気にする必要はまったくないよ。
その代わり、解答例文を英文読解のような感じでしっかり味わってくれ。

■英作文
1. あなたがどうやってギターの演奏方法を身につけたか教えてください。

2. (1に答えて)よっしゃ。俺が今まで試した中でいちばんいい方法を教えてやろう。

3. アビガンがうまく効かない症例もある。(アビガン:Avigan=薬の名前。症例:case)

4. 彼の天真爛漫さこそが彼を有名なコメディアンにしたと私は思っている。(天真爛漫さ:innosence)

5. 次のうち、正しい英文は?
  1. I didn't know what made her so happy.
  2. I didn't know why she was so happy.
  3. I didn't know the reason why she was so happy.

■英文解釈 次の英文を日本文にしてみてね。

6. There were days when I studied more than twelve hours to enter The Tokyo University.

7. The man was found hidden in an empty house with two pigs, who had stolen the pigs.

8. Look at that house whose door is broken. That is where the man was hidden, who had stolen two pigs.

■再び英作文

9. ぼくの親友の一人、彼は台湾に住んでいるんだけれど、きみに会いたいと言っていたよ。

10. 郷先生のような素晴らしい教師をぼくは今まで見たことがない。(Mr.Go を主語にして)



答え

1. あなたがどうやってギターの演奏方法を身につけたか教えてください。
Please tell me the way how you mastered playing the guitar.
tell+人+目的語の SVOO の文。
teach でももちろんいい。
上の文の the way how は、the way がなくて how you mastered ~でもいいし、how がなくて the way you mastered ~ でもいい。
master は「マスターする」と日本語化している動詞。


2. (1に答えて)よっしゃ。俺が今まで試した中でいちばんいい方法を教えてやろう。
OK. I'll show you the best way I have ever known.
the best way の後に目的格の関係代名詞 that が省略されている。もちろん、the best way that I have ever known と、that を入れてもいい。
「今まで試した中で」は try という動詞を使わずとも、「知っている最上の方法」ということだか know でいい。
それを現在完了(経験)で。


3. アビガンがうまく効かない症例もある。
There are (some) cases where Avigan doesn't work well.
この where は関係副詞で、前の cases を修飾している。
case は日本語化している「場合、状況、ケース、事例」。
いくつかのケース「においては(where)」アビガンが効かない……という形で、Avigan doesn't work が cases の説明をしている。
薬が「効く」は work でいい。


4.彼の天真爛漫さこそが彼を有名なコメディアンにしたと私は思っている。 I think (that) his innocence made him a popular comedian.
think that …… は、「……だと思う」という意味で、この that は接続詞。
make は「~を…にする」という SVOC を作る動詞。
What made him a popular comedian is his innocence, I think.
などともいえる。
この場合、文頭にある what は「~というもの」という先行詞を含んだ形の関係代名詞。 innocence は「無罪」などの意味もあるが、天真爛漫、無邪気さなども表す名詞。要するに「こざかしい作為がない」ことを表す。
形容詞は innocent (純粋な、無邪気な、無罪の)。


5. 次のうち正しい英文は?
  1. I didn't know what made her so happy.
  2. I didn't know why she was so happy.
  3. I didn't know the reason why she was so happy.
↑すべて正しい。
「彼女がなぜそんなに嬉しそうなのか、ぼくには分からなかった」

1 は間接疑問で、what made her so happy は SVOC の形。
2 も間接疑問文。語順に注意。
3 の why は前に the reason という名詞があるから関係副詞といえるが、2 と同じ構造の文。
英作文の場合、どの文においても、「時制の一致」に注意。didn't know と過去の話だから、その後の動詞も過去形にする。


6. There were days when I studied more than twelve hours to enter The Tokyo University.
東大に合格するために1日12時間以上勉強した日々もあった。
days を when ~以下が修飾(説明)している。
「~以上」は more than ~。
この when は関係副詞。最後の to ~ は目的を表す副詞的用法の不定詞。
「合格する」を「入試にパスする」などと考えて、to pass the entrance examination of ~ などとやり始めると大ごとになる。単純に「入る(enter)」とすればいい。
大学の名前にはなぜか the をつけることが多い。

7. The man was found hidden in an empty house with two pigs, who had stolen the pigs.
2頭の豚を盗んだ男は、豚と一緒に空き家に隠れていたところを見つかった。
これは難問。
stolen は steal(盗む)の過去分詞。steal - stole -stolen と不規則変化する動詞。
had stolen は「過去完了」という時制だが、完了形は「それよりさらに前のこと」も表す。豚泥棒が「見つかった」のは「過去」だが、その男が豚2頭を盗んだのはさらに前のことだから、過去完了形にしている(文法書などでは「大過去」などという言い方もしている)。
過去完了時制は、完了の助動詞 have を過去形にして、had+過去分詞
語順としては、普通に考えれば、
The man who had stolen two pigs was found hidden in an empty house with the pigs.
だが、過去分詞が過去形より前に出てくるのは若干不自然なので、敢えて who 以下の形容詞句を後ろに回している。
で、先行詞の the man とそれを説明する形容詞節(who ~)があまりにも離れてしまったので、関係代名詞 who の前にカンマ(,)を入れて注意喚起みたいにしている。直前の名詞 pigs が先行詞じゃないよ(pigs who ~ ではないよ)というアピールかな。
このように関係詞の前にカンマを入れて、一種の追加情報のように見せることを「関係詞の非制限用法」などと呼ぶが、別にそんな仰々(ぎょうぎょう)しい文法用語は覚えなくてもよい。

was found hidden は「隠れているのを見つかった」で、SVCの形。
このくらいになるとすでに大学入試問題レベルだが、英文解釈なら中学3年くらいでも分かってほしいレベル。
長い英文も、「節」と「句」というユニット単位で構造をしっかり把握する習慣をつけていくことが大事。


8. Look at that house whose door is broken. That is where the man was hidden, who had stolen two pigs.
あのドアが壊れている家を見てみろよ。あれが豚2頭盗んだ男が隠れていた家だぜ。
最初の文の whose は所有格の関係代名詞。「その家のドア」で whose door。
後の文の where は関係副詞で、その前に the house という先行詞が省略されている。「そこに男が隠れていた」。前の文で the house に注目させている(すでに話題にしている)ので、先行詞としての the house は省略して where だけでも通じる。
その後の had stolen という過去完了は、7 で説明した通り。


9. ぼくの親友の一人、彼は台湾に住んでいるんだけれど、きみに会いたいと言っていたよ。
One of my best friends, who lives in Taiwan, said that he wanted to see you.
このように、関係詞を使った形容詞節が文の中にカンマ(,)で区切られて書かれていると、追加で説明しているような感じになる。こういうのを「関係詞の非制限用法」などと呼ぶが、別に特別なことではなくて、長くなってしまった文の意味をとりやすくするため、あるいは先行詞と形容詞節が離れているので分かりやすくするためにカンマを打った、くらいに考えればいい。7 や 8 の英文で、最後に付け加えたような形で形容詞節を置いたときに、前にカンマ(,)をつけたのもそのため。
時制にも注意。「台湾に住んでいる」のは今も住んでいるので現在、「言っていた」のは過去。said that ~ は「~と言っていた」で、that は接続詞。


10. 郷先生のような素晴らしい教師をぼくは今まで見たことがない。(Mr.Go を主語にして)
Mr.Go is the greatest teacher that I have ever known.
「見たことはない」というのを have never seen などとすると変なことになる。
要するに「知りうる限りの最高の先生だ」と、簡単な文にする発想が大事。
最上級があるので関係代名詞は that を使う。省略してもよい。


というわけで、俺の特別講義は今回が最終回ということにするよ。
次回は修了式みたいな感じで雑談だな。
言い足りなかったことは、そのときに言うことにする。
じゃあね。お疲れ~。


← 解説に戻る   目次へ   次へ⇒
Facebook   Twitter   LINE