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33. 形容詞節と関係詞

Look at the dog on the roof.
         形容詞句

Look at the dog that is sleeping on the roof.
         形容詞節


郷センセ郷センセ:  今日も生徒は凡太か。
いよいよ今回が最終回だ。
どうだ、寂しいか?
凡太 そうでもないっす。今までが大変だったから、まだまだこれから復習しないといけないし……。

そっか。それはよかった。
なにせ中学3年間かけてやるような内容を一気にやってきたからなあ。
中学校でやる内容のうち、漏れているのもいっぱいあっただろうし、逆に、高校でやるようなことも区別せずに教えたりした。
今日は漏れている内容の1つ、形容詞節というのをやるよ。

次の3つの文をよく見てくれ。
  1. I was not at home when he came home yesterday.
  2. I want to know when he came home yesterday.
  3. I want to know the time when he came home yesterday.
下線の部分はどれも when he came home yesterday だけど、S+Vを含んでいるから「節」だね。
でも、働きが違う。それぞれ「何」節か、そして when の品詞は何か考えてみてよ。
凡太 え~? 全部違うんすか? え~? え~?
あ、でも1 も 2 もやりましたね。

うん、1 も 2 もやったばかりだね。
1は「昨日彼が帰宅したとき、私は家にいなかった」で、when 以下は副詞節。この when は接続詞。
I was not at home when he came home yesterday.


2は「彼が昨日いつ帰宅したのか知りたい」という間接疑問文で、when 以下はその前の動詞 know の目的語になっている名詞節。この when は疑問詞。
I want to know when he came home yesterday.


問題は3で、これは初登場。
「彼が昨日帰宅した時刻が知りたい」で、when 以下はその前の名詞 the time を修飾している。
I want to know the time when he came home yesterday.

この3の場合、意味は 2 とほぼ同じだよね。
違いは、
2 では、when 以下の節がそっくりそのまま前の動詞 know の目的語になっている

のに対して、
3 では、know の目的語は the time という名詞。その the time を when 以下が修飾(説明)している、という構造だ。

名詞を修飾しているんだから形容詞の働きだね。こういうのを「形容詞節」っていうわけだ。

で、こんな風に「名詞を修飾する働きをする形容詞節を導く語」のことを「関係詞」っていう。
関係詞には、関係代名詞、関係副詞、関係形容詞……と、いくつかあるんだけど、この3の文の when は、形容詞節の中では「いつ?」という副詞的な働きの疑問詞(疑問副詞)と同じ働きをしているので「関係副詞」っていう。
関係副詞は、語の形は疑問詞(疑問副詞)と同じで、
when、where、why、how ……がある。
前に来る名詞は when の場合は the time など「時」を表す名詞、
where は the place(場所)など「場所」を表す名詞、
why は the reason(理由)など、「理由」を表す名詞、
how は the way (方法)など、「手段」を表す名詞
……がくる。

the day when I proposed to her
(私が彼女にプロポーズした

the town where I was born
(私が生まれた

the reason why I quit skiing
(私がスキーをやめたわけ

the way how I learned English
(私が英語を学んだ方法

the reason why の the reason とか、the way how の the way は、いわなくてもあたりまえの語だということで、よく省略されたりする。

This is how I learned English.
(こんな風に私は英語を学んだ)
 ↑
この how の前には the way が省略されていると考えればいい。
how のほうを省略することもよくある。

This is the way I learned English.

全部同じ意味だ。

……で、これって、間接疑問文に似ていないか?
I want to know how I should learn English.
(英語ってどうやって学べばいいのか知りたい)=間接疑問文

I want to know (the way) how he learned English.
(彼が英語をどうやって学んだのか、その方法を知りたい)

……なんか同じじゃん、ってことにならないか?
凡太 ……ですよね……。

まあ、同じようなものだと考えても問題ないね。この場合は。
だからまあ、
I want to know how he learned English.
の how が疑問詞なのか、前に the way が省略されている関係副詞なのかというような論争はほとんど意味がない。正しい文になっていればそれでいいじゃないか、ということだな。

さらには、これは、前にやった「疑問詞+不定詞」でもいえる。
I want to know how to learn English.
(英語を学ぶ方法を知りたい)

句でいうか、節でいうかの違いだね。
語順や語の使い方が正しければいい。なんとか節だのなんとか句だのっていうのは、後付けの理屈、説明するための文法用語だからね。きちんと文の構造が理解できていればいいのよ。

関係代名詞

じゃあ、先に進むよ。

「ハナコは犬を飼っている」を英語にすると?
凡太 Hanako has a dog.
です。

じゃあ、
「その犬は屋根の上で寝るのが好きだ」
は?
凡太 The dog likes to sleep on the roof.
です。

そだね~。
じゃあ、その2つの文をくっつけて、
「ハナコは屋根の上で寝るのが好きな犬を飼っている」
っていう1つの文にしてみようか。

Hanako has a dog.
The dog likes to sleep on the roof.

この2つの文に共通しているのは dog だね。

最初の文の a dog を受ける代名詞があって、その代名詞が2つの文をくっつける働きをすればいいわけだ。
そういう代名詞を「関係代名詞」っていう。
例えば that という関係代名詞があって、ほとんど何にでも使えるのでここでも使ってみようか。

……こうなるね。 だから、

Hanako has a dog that likes to sleep on the roof.
(ハナコは屋根の上で寝るのが好きな犬を飼っている。)

こうなるわけだ。
関係代名詞も名詞を修飾する「形容詞節」を作るわけだね。
で、この形容詞節に修飾されている名詞、上の文では a dog だけれど、これを「先行詞(せんこうし)」っていう。
後ろに続く形容詞節の前にある、「先行している」から先行詞なんだろうけど、変な呼び方だよな。

Hanako also has a snake that is one and a half meters long.
(ハナコは1m半あるヘビも飼っている。)

この文の先行詞は?
凡太 a snake です。

そうだな。
ここまでは何も難しくないだろ?

で、上の2つの文では関係代名詞の that はそれに続く節の中では likes や is の主語になっているね。
でも、関係代名詞は「代名詞」なんだから、それに続く形容詞節の中では主語だけじゃなくて、目的語にもなる。

Pochi is an old dog that Hanako loves.
(ポチはハナコが可愛がっている犬だ。)

 ↑この文では that は前の an old dog をうけている関係代名詞だけれど、後に続く文の中では loves の目的語になっているね。
これもまあ、難しいことじゃないよな?
ここまではOKかな?
凡太 おけ、っす。

ただしだな、関係代名詞は that だけじゃない。who とか which とかってのもあるのよ。
これはどうやって使い分けるのかというと、先行詞の種類と、続く形容詞節の中で関係代名詞が主語になる(主格)か目的語になる(目的格)かで違ってくる。

Pochi is an old dog that Hanako loves.
は、
Pochi is an old dog which Hanako loves.
ともいえるけど、
× Pochi is an old dog whom Hanako loves.
はダメ。
Hanako has a dog which likes to sleep on the roof.
はいいけれど、
× Hanako has a dog who likes to sleep on the roof.
はダメ。

あと、目的格の(続く形容詞節の中で目的語になる)関係代名詞は省略することもできる

Pochi is an old dog that Hanako loves.
⇒ Pochi is an old dog Hanako loves.

でも、主格の(続く形容詞節の中で主語になる)関係代名詞は省略できない。
Hanako has a dog which likes to sleep on the roof.
× Hanako has a dog likes to sleep on the roof.

それと、先行詞に最上級の形容詞とか、the only なんていう、限定する意味が強い形容詞がつくと、関係代名詞は who や which ではなく、 that を使うというルールもある。

What is the biggest animal that you've ever seen?
(今まで見た中でいちばんでかい動物は何?)
※ the biggest という最上級の形容詞がついているので、which は使わない。ただし、目的格なので省略することはできる。

だからまあ、that を使っておけば間違いは少ないわな。

ここまでOKかな?
凡太 う~ん、後でちゃんと復習して覚えておきます。

おっけ~。
じゃあ、いつものように鬼のように先に進むぞ。

who whom which that の他に、 whose という関係代名詞もあるのよ。会話ではそんなにちょくちょくは使わないけどね。
これは whose という形から分かるように所有格だ。つまり、my your his her their our Hanako's みたいな「~の」という所有の意味を表す語を受けるんだな。

I know a girl whose pets are a dog and a snake.
(犬とヘビをペットにしている女の子を知っている)

これは2つの文に分ければ、
I know a girl.
   Her pets are a dog and a snake.
だな。
まあ、普通は、
I know a girl who has a dog and a snake as her pets.
といいそうなもんだけどね。

whose は人以外にも使える。
I have a book whose pages are torn.
(ページが破れた本を持っている)
※torn:破けた

これは次のようにもいえる。

I have a book some pages of which are torn.


あ~、ここまできたら、最後にもう1つだけやらせてくれ。
関係代名詞 what だ。
これはちょっと特殊な関係代名詞で「先行詞を含んだ形の関係代名詞」だ。
what の省略された先行詞は漠然と「もの(thing)」だと思えばいい。
the thing that を1語でいうと what だということだな。

Show me what you have in your hand.
(手の中に持っているものを見せなさい。)

この what は show の目的語になっていると同時に have の 目的語にもなっている。
that を使えば、
Show me the thing that you have in your hand.
だな。the thing that と3語も使わずとも、what 1語でいえるなんて、こりゃ便利だね、というわけだ。
the way how ~ の先行詞 the way が省略されて how だけになったり、the reason why の the reason が省略されて why だけで通じるようになったというのと同じようなことだね。
これは本当によく使うので、絶対に知っておかないとダメ。

……とまあ、関係詞はいろいろあるけれど、文の構造をしっかり見ていけば難しいことはない。
むしろ、不定詞なんかに比べると分かりやすいんじゃないかな。論理的というか、数式を解いているような感じで。

一気にやったけど、今回の内容はいっぺんに覚えようとせず、何回にも分けて、何度でも読み返して、あとは自分でもいろいろ調べて、身につけてくれや。
あとは、ここでも少し練習問題作っておくから、やってね。
凡太 はい。


今日のポイント


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