29 形容詞的用法の不定詞 / その他 練習問題


I want to eat something.
(何か食べたい = 名詞的用法)

I want something to eat.
(何か食べる物がほしい = 形容詞的用法)


郷センセ  じゃあ、まずは形容詞的用法の不定詞を使った英作文練習から。

1. 生き残るにはそれしか方法はないのか?(方法:way、生き残る:survive)

2. ニューヨーク市長は市を封鎖するという大きな決断を下した。(市長:mayor、決断を下す:make a decision、封鎖する:blockade)

3. 明日はやることがいっぱいあるぞ。(you を主語にして未来の文で)

じゃあ、ここからは今回他にもいろいろやったのの復習をかねて……。難しいだろうから、できなくてもいいよ。でも、解答例をしっかり見て、理解することが大事。

4. 昨日、ハナコがタマと一緒に公園を散歩しているのを見たよ。誰も近づこうとしてなかったな。

5. 医者は私に目を閉じたままにしていろと命じた。

6. 英語が全然通じなくてショックだった。

7. ポチに屋根に登るのをやめるようにお願いするなんて無理だわ。

8. 何を言うかよりどう言うかのほうが大切だ。

9. チケットをもらうのにどこへ行けばいいか知ってますか?

10. ポチが病気だという風には見えないわ。ただねむいだけでしょ。

11. そんなひどい政治家は厳罰に処されることを望みたい。(政治家:politician、罰する:punish、厳重に・厳しく:severely)


答え

1. 生き残るにはそれしか方法はないのか?(方法:way、生き残る:survive)
Is it the only way to survive?
「~する方法」は the way to~ 。ここでは「それしか方法がない」⇒「それが唯一の(the only)方法」という風に考える。
「それが生き残る唯一の方法だ」という文は、
It is the only way to survive.
で、ただの A is B.(A は B である)というSVCの文。
この文のbe動詞 is を主語の前に出して疑問文にしただけ。
「ない」にこだわって there is の文にしようとすると、もう少しやっかいかもしれない。
Is there any other way to survive?
他に生き残る方法はないのか?)
……という発想でもいえるかな。

意味上の主語を入れて「彼らが生き延びる方法はそれしかなかったのか?」という過去の文にするなら、
Was it the only way for them to survive?

Was there any other way for them to survive?

……となるね。


2. ニューヨーク市長は市を封鎖するという大きな決断を下した。(市長:mayor、決断を下す:make a decision、封鎖する:blockade)
The mayor of NYC made a big decision to blockade the city.
NYC は New York City の略。make a decision は「決断を下す」という熟語として覚える。decision は動詞 decide(決定する、判断する)の名詞。この decision(決断、決定)に形容詞 big をつけて、さらに後ろに「~するという」という内容を説明する形容詞的用法の不定詞が続いている形。
big の代わりに grave(重大な、ゆゆしき、深刻な)という形容詞を使うともっと感じが出る。ちなみに grave には「墓」という意味もある。


3. 明日はやることがいっぱいあるぞ。(you を主語にして未来の文で)
You will have so much to do tomorrow.
「やることがいっぱい」は many things to do でもよいが、many things を1語で much といえる。それに形容詞的用法の不定詞がついた形。


4. 昨日、ハナコがタマと一緒に公園を散歩しているのを見たよ。誰も近づこうとしてなかったな。
I saw Hanako walking with Tama in the park. Nobody would go near them.
see+人+~ing で「(人)が~するのを見る」。この「人」の部分はもちろん物や動物でもいい。
「~しようとする」は try to do でもいいが、そこまで強くいわなくても、この文では、
Everyone kept away from them.
(みんなが近寄らなかった keep away from …:…から距離を保つ、近づかない)

Noone would get close to them.
などということもできる。


5. 医者は私に目を閉じたままにしていろと命じた。
The doctor told me to keep my eyes closed.
tell+人+to do で「(人)に~するように言う」の意味。
「命じる」は order でもいい。
この解答例の文では、 to ~ 以下がさらに
keep+目的語+補語 の形で、「…を~の状態に保つ」の意味。


6. 英語が全然通じなくてショックだった。
I was so disappointed not to make myself understood at all.
「ショックだった」は I was shocked でもいいが、この場合は「ガックリきた」というような意味だろうから、disappointed (失望した、落胆した、がっかりした)という形容詞を使ってみた。
不定詞の否定形は not to ~ の形。make oneself understood は、直訳すれば「自分自身を理解される状態にする」ということで「理解してもらう」「(言葉などが)通じる」という意味。熟語として覚えておこう。
「全然」はいろいろな言い方ができるが not ~ at all は否定の意味を強調するときによく使われる。


7. ポチに屋根に登るのをやめるようにお願いするなんて無理だわ。
It is impossible (for me) to ask Pochi not to climb up on the roof.
It ... to~. の文にしなければ、
I cannot ask Pochi not to climb up on the roof.
ask+人+to do で「(人)に~するように頼む」。not to~ と、不定詞部分を否定形にした形。
「登る」は climb(最後の b は発音しないので注意)。
「山に登る」は climb the mountain でいいが、屋根には「よじ登る」という感じでもないので、単に上がる感じで up to をつけてみた。climb the roof でも通じる(と思う)。


8. 何を言うかよりどう言うかのほうが大切だ。
How to say is more important than what to say.
疑問詞+不定詞 は名詞句になるので、このように主語や補語にもなる。
important は「重要な」という意味の形容詞。このように語尾に er 、 est をつけて比較級、最上級にするには長すぎる形容詞・副詞は、more ~、the most ~ という形で、more、most を形容詞・副詞の前につけて比較級、最上級をつける。よく使う形容詞としては他に difficult など。

Tama is heavier than Pochi.
(タマはポチより重たい)

Tama is not more intellectual than Pochi.
(タマはポチより「知的だ」とはいえない)

また、beautiful、wonderful、slowly など、-ful や -ly で終わる形容詞・副詞も more most をつけて比較級、最上級にすることがほとんど。

Be more careful.
(もっと注意しろ)

Let's jog more slowly.
(もっとゆっくり走ろうぜ)



9. チケットをもらうのにどこへ行けばいいか知ってますか?
Do you know where to go to get the ticket?
疑問詞+to do が名詞句で know の目的語になっている形。その後の to get the ticket は「~するために」と目的を表す副詞的用法の不定詞。
「どこへ行けばいいか教えてください」なら、
Please tell me where to go to get the ticket.
とか、
Would you tell me where to go to get the ticket?

だし、疑問詞+不定詞 など使わずとも、
Where should I go to get the ticket?
(チケットを手にするにはどこへ行けばいいですか?)
と直接きいてもいい。
実生活では少しでも易しい言い方で言えないかと考える習慣をつけよう。


10. ポチが病気だという風には見えないわ。ただねむいだけでしょ。
Pochi doesn't seem to be sick. Maybe he is just sleepy.
seem +不定詞 で「~であるように見える」。seem の代わりに appear という動詞も使える。
このタイプの文では、不定詞部分はbe動詞など、状態を表す動詞がくることが多い。

「~でしょ」を「きっと~に違いない」という意味でとらえるなら、助動詞を使って、
He should be sleepy.
He must be just sleepy.
などといっても十分通じる。


11. そんなひどい政治家は厳罰に処されることを望みたい。(政治家:politician、罰する:punish、厳重に・厳しく:severely)
I like such a bad politician to be severely punished.
↑これは一見難しい文に見えるだろうが、一つ一つ、文の構造を見ていけば理解できるはず。
like+目的語+不定詞 は「…が~することを望む、…に~してほしい」という意味の SVOC の文。

I like him to check my PC.
(彼に私のパソコンを点検してほしい)

この C の不定詞の部分を受け身形(be+過去分詞)にして「…が~されることを望む」にすると、

I like my PC to be checked by him.
(私のパソコンを彼に点検してもらいたい)

……となる。解答例はまさにこの形の文。
「厳罰に処す」は punish … severely といえるが、ここではそれを受動態の形で不定詞にしている。
severely は punished の後ろに置いてもOK。
「ひどい政治家」は「悪い政治家」だから bad politician でいいが、corrupt politician などとすれば、もっと感じが出る。corrupt は、「堕落した、不正を働く、買収された、腐敗した」などという意味の形容詞で、politician にはよく使われる。
「そんな~」は such a ~ という。これはよく使うので覚えよう。

Don't worry about such a thing.
(そんなこと気にするな)


……とまあ、不定詞についていろいろやってきて、疲れちゃったかもしれないけれど、焦らず、飽きず、嫌にならず、何度でも読み返して、英語的な感覚を養ってくれ。
不定詞の使い方に慣れてくると、英語力は一気に次のレベルに上がるよ。ここで諦めちゃうと、一生英語に苦手意識を持ったままになっちゃうよ。
ここが踏ん張りどころだ。
がんばんべ~。


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