28 副詞的用法の不定詞  練習問題


He went there to eat it.
(食べるために行った = 目的)

He was happy to eat it.
(食べて幸せだった = 感情の原因)

He was crazy to eat it!
(食べたなんて狂ってる! = 判断の根拠)

He was too sick to eat it.
(具合が悪すぎて食べられなかった = 不可能)


郷センセ  じゃあ、副詞的用法の不定詞の英作文練習だ。

1. ハナコの父親は健康のためにジョギングを始めた。(健康:health、健康な:healthy)

2. タマは体長1.5mの大蛇に成長した。

3. 世界的なUFO研究家に会えて光栄だった。

4. 隠しておくのが簡単な秘密などない。(No~ で始めて)

5. その男は信頼できる人物であるということが分かった。(The man を主語にして、prove:証明する という動詞を使って。「信頼できる」reliable)

6. 大変なご迷惑をおかけして申し訳ありません。(迷惑をかける:trouble ←動詞として使える)

7. たこ焼きはメインディッシュにしてもいいくらいうまい。(enough to~ を使って)

8. 彼女は親切にもそのカエルを掬い上げて道路の脇に放した。(enough to~ を使って)

9. 私の名前は源一郎(げんいちろう)ですが、ややこしくてみなさんにはちょっと発音するのが難しいかもしれませんので、どうぞ「ゲン」って呼んでください。(「発音する」はpronounce)

10. 全裸で外を歩くなんて、彼は頭がおかしいに違いない。




答え

1. ハナコの父親は健康のためにジョギングを始めた。(健康:health、健康な:healthy)
Hanako's father started jogging to keep his health.
start は目的語に不定詞も動名詞もとれる。意味はほぼ同じだが、start to do のほうが「動作の開始」というニュアンスが強いので、ここではむしろ jogging を「ジョギング」という普通の名詞のように扱って start jogging のほうが自然か。start to jog だと、それまで歩いていたのが走り始めた、というような感じもある。
to keep his health は「健康を保つために」で、これが「目的」を表す副詞的用法の不定詞。ここに不定詞を使っているので、ますますその前は started to jog より started jogging のほうが to ~ が続かずスッキリする。
to keep himself healthy とか to keep himself well などとしてもいい。それだと、to以下は、keep+目的語+形容詞(補語)の形だね。
「~自身」という言い方は、me ⇒ myself、you ⇒ yourself、her ⇒ herself、him ⇒ himself、it ⇒ itself、us ⇒ ourselves、them ⇒ themselves。


2. タマは体長1.5mの大蛇に成長した。
Tama grew up to be a large snake one and a half meters long.
「成長する」は grow (自動詞)で、up をつけて grow up という形でよく使われる。stand(立つ、立っている) ⇒ stand up(立ちあがる)と似たような感じかな。grow の過去形は grew 、過去分詞は grown で、不規則変化動詞。
こういう文が典型的な「結果」を表す副詞的用法の不定詞なんて呼ばれる。成長した「結果」~となった……という意味。
to become としてもいいが、少年が医者になったというのと違って、タマは最初からヘビなので、ここでは be としておいた。


3. 世界的なUFO研究家に会えて光栄だった。
I was very pleased to meet a world-famous UFO researcher.
be pleased to do は、「~して嬉しい、喜んで~する」という意味。very あたりをつけておけば、非常に喜んでいる様子が伝わるから、その程度で十分。
「光栄だ」にこだわるなら、
I was very honored to meet …….
などという言い方もできる。やや格式張った言い方。
It was my pleasure to meet …….
などと、It to~. 構文でもいえる。
「世界的な」は間違っても global などとしないこと。それは「世界規模の」「全世界共通の」といった意味になってしまい、「人」には普通使わない。
「世界的に有名な」ということだから、
world-famous などといえばよい。ハイフン(-)はなくてもOK。


4. 隠しておくのが簡単な秘密などない。(No~ で始めて)
No secret is easy to keep.
「秘密を守る」は keep a secret という。easy to keep で「守るのが易しい」「簡単に守れる」という意味で、これは形容詞を修飾している形の副詞的用法の不定詞。
Some secrets are hard to keep.
(守るのが難しい約束もある。)
なんていう言い方もついでに覚えておこう。この hard は difficult と同じで「困難な」。
one、some、no~ などの語の使い方は、いろいろな表現に触れて、少しずつ覚えていくしかない。これぞ英語的発想なんだと楽しもう。


5. その男は信頼できる人物であるということが分かった。(The man を主語にして、prove:証明する という動詞を使って。「信頼できる」reliable)
The man proved to be a reliable man.
これは難問。prove は「証明する」という動詞で、SVO や SVOC の文を作れる他動詞。
These papers will prove them (to be) guilty.
(これらの書類がやつらが有罪だと証明するだろう。)

しかし、自動詞としても使え、後ろに to do をつけると、「…だということが(後になって)分かる」「~と判明する」「(結果として)~になる」といった意味を表す。この to ~ も「結果」を表す副詞的用法といえる。
He proved to know nothing about it.
(それについて彼は何も知らないということが分かった。)

He proved to be the murderer.
(殺しの犯人は彼だと分かった。)

日本語ではこうした構造の文はほとんどないと思うので、英語的表現、英語的発想としてよく噛みしめよう。


6. 大変なご迷惑をおかけして申し訳ありません。(迷惑をかける:trouble ←動詞として使える)
I'm sorry to trouble you so much.
trouble は「トラブル」「面倒なこと」という意味の名詞もあるが、動詞(~に迷惑をかける)もある。この文では you が目的語になっている他動詞。
so much の so は very と同じ意味で、much を強めている副詞。


7. たこ焼きはメインディッシュにしてもいいくらいうまい。(enough to~ を使って)
Takoyaki is good enough to be the main dish.
「美味しい」は good でいい。main dish は the をつける。


8. 彼女は親切にもそのカエルを掬い上げて道路の脇に放した。(enough to~ を使って)
She was kind enough to pick up the frog and left it beside the road.
be kind enough to do という言い方はある程度定型句のようになっている。
She was kind enough to show me the way to the station.
(親切にも駅への道を教えてくれた)

Would you be kind enough to pass the pepper?
(胡椒をこちらに取っていただけませんか?)
※ Would you ~? は Will you ~? よりていねいな言い方。pass はサッカーなどでボールを回すのを「パスを出す」というのと同じ、あの pass。 pass me the pepper とすれば 目的語を2つ取っている形。


9. 私の名前は源一郎ですが、ややこしくてみなさんにはちょっと発音するのが難しいかもしれませんので、どうぞ「ゲン」って呼んでください。(「発音する」はpronounce) My name is Genichiro but it may be rather complicated for you to pronounce. So please call me just 'Gen'.
「発音する」という動詞は pronounce。名詞(発音)は pronunciation と、途中のつづりが少し変わり、発音も変わるので注意。
「難しい」は hard でいいが、この場合 complicated (複雑な、ぐちゃぐちゃした)という形容詞がピッタリくる感じ。
too complicated to pronounce だと、「ややこしすぎて発音できない」と完全に否定することになるから、ここでは too の代わりに rather (やや)を使えば、柔らかくいえる。
My name is rather complicated to pronounce.
(私の名前はやや発音しづらい)
これに to pronounce の「意味上の主語」の for you を入れ込んだ。
call A B はすでにやった SVOC の文。「BをAと呼ぶ」。just は「単に」くらいの意味で入れてみた。なくてももちろんOK。


10. 全裸で外を歩くなんて、彼は頭がおかしいに違いない。
He must be crazy to walk naked outside.
「全裸で」は naked (裸で)という語を副詞として使える。すっぽんぽんの全裸で、という強調をしたいのなら、bare naked、fully naked、stark naked など、naked を強調する語を前につけてもいいし、別の表現では、with nothing on、in the nude などともいえる。
「外で」は outside でいい。
ここで大切なのは to walk 以下が、must be crazy(頭おかしいに違いない)と判断する根拠、理由を表しているという点。これも副詞的用法の不定詞。


……とまあ、副詞的用法の不定詞は実に多種多様だね。文例をたくさん覚えていき、不定詞の使い方に慣れることが大事だよ。
で、不定詞の話はまだ終わらないんだよなあ。嫌がらずに次に進んでね。


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