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28. 副詞的用法の不定詞

He went there to eat it.
(食べるために行った = 目的)

He was happy to eat it.
(食べて幸せだった = 感情の原因)

He was crazy to eat it!
(食べたなんて狂ってる! = 判断の根拠)

He was too sick to eat it.
(具合が悪すぎて食べられなかった = 不可能)


郷センセ郷センセ:  今日も生徒は凡太か。
さてと、前回は名詞的用法の不定詞、ってのをやったね。
復習として「ハナコは写真を撮るのが好きだ」っていうのを不定詞を使っていうと?
凡太 Hanako likes to take pictures.
です。

そだね~。
「彼女の趣味は写真を撮ることです」なら?
凡太 Her hobby is to take pictures.
です。

そだね~。こういうのが「名詞的用法」の不定詞で、意味は「~すること」だったね。
さてと、不定詞には他にもいろんな使い方があるんだわさ。
She likes to take pictures of birds.
は「彼女は鳥の写真を撮ることが好きだ」だけど、
She went to the park to take pictures of birds.
っていう文となると、この to take pictures は「写真を撮ること」という名詞の意味ではないよな。
この文の意味は、
「彼女は鳥の写真を撮るために公園に行った」
だ。
「~するために」というのは、「理由」や「目的」を表していて、動詞 went の説明をしている。
動詞を説明するということは、副詞の働きだよね。
She went to the park with Pochi. (ポチと一緒に行った)
She went to the park to take pictures.
写真を撮るために行った)
……どっちも動詞を説明している。
動詞や形容詞を修飾する語はなんていう品詞だっけ?
凡太 副詞です。

そだね~。女子陸上長距離のレジェンドは福士加代子。
だから、こういう使い方の不定詞を「副詞的用法の不定詞」っていうのよ。
……ここまではいいかな?
凡太 はい。

で、副詞的用法の不定詞ってのは、実にいろいろな意味を表すし、使い方も緩いというか、何でもありっぽい感じなんだよな。
She went to the park to take pictures.
の to take pictures は「写真を撮るために」という「目的」を表しているけれど、他にも、

She was happy to take good pictures of birds.
(鳥のいい写真が撮れて幸せだった =感情の原因「~して」)

She is eccentric to keep a snake as her pet.
(ヘビをペットにしているなんて変わってるなあ。 =判断の根拠「~するとは」)

She studied hard to be a veterinarian.
(一生懸命勉強して獣医になった。 =結果)

To tell you the truth, I don't like snakes.
(正直なところ、俺はヘビは好きじゃない。 =軽い条件)

She must be glad to hear the news tonight.
(今夜その知らせを聞けば喜ぶに違いない。 =軽い仮定)

……とまあ、いろいろあるわけだけど、これをいちいち分類する必要なんてまったくない。
文の頭によく使う、To tell you the truth, なんて、定型句として覚えてしまえばいいだけのことだしね。
要するに意味が分かればいいんだ。
だから、いっぱい文例に触れて、ああ、この不定詞はそういう感じで使われているのね、って、その都度意識して、身体に染みこませることが大事だね。
ただ、よく出てくるやつは、意味が分かるだけじゃなくて、自分でも使えるようにしておきたい。例えば、
I'm glad to see you.
(お目にかかれて嬉しいです=「初めまして。どうぞよろしく」的な挨拶の決まり文句)
みたいなのは、使えないと不自由だからね。

I'm sorry to hear that.
(それはお気の毒です。)

I was so surprised to see her there.
(そこで彼女に会うなんてチョーぶったまげたよ。)

こういう感情を表す形容詞の後につける to do とかは、自在に使えるようにしておきたいね。

To tell the truth, みたいな定型句というか、決まった言い回しもいろいろあるから、そういうのはいちいち不定詞だとか意識しなくていいから、丸ごと覚えちゃえばいい。

Strange to say, Hanako doesn't like caterpillars.
おかしな話だけど、ハナコは毛虫は苦手なんだ。)

こういうのは「文全体」を修飾しているような感じだね。
あと、副詞が修飾するのは動詞だけじゃなかったよね? 形容詞や他の副詞を修飾したりもする。
そういう使い方の副詞的用法の不定詞ってのもあると思うか?
凡太 なんか、ありそうっすね。

うん。あるのよ。
例えば、
The question is easy to answer.
(その質問は簡単に答えられる。=答えるのに簡単だ)

The meat was rather hard for children to eat.
(その肉は子供が食べるにはやや硬い。)
rather:やや、多少

……みたいなやつ。
この↑The meat was rather hard for children to eat. の for children は to eat という不定詞の「意味上の主語」ってやつだね。
「子供にとって(for children)」「食べるのには(to eat)」「硬い」

この「形容詞・副詞+不定詞」という形は、形容詞・副詞に too (あまりにも~すぎる)という強調の副詞をつけて、
too … to~ 構文っていうのをよく作る。

He was too hungry to walk.
(腹が空きすぎて歩けなかった)

↑この文の too というのは形容詞や副詞の前について「~すぎる」「あまりにも~だ」という、限度を超えた状態であることを表す副詞だ。
too hungry は「腹が空きすぎる」、too fast は「速すぎる」、too early は「早すぎる」、too heavy は「重すぎる」……。
で、その後ろに不定詞をつけると、「~するには…すぎる」=「あまりにも…で、~できない」……という意味の文になるんだな。
試験では、
He could not walk because he was very hungry.
 = He was (  )hungry (  )walk.

なんていう穴埋め問題で出題されたりするわけさ。
この書き換え問題では、 so … that ~.構文っていうのがあってね。
so の後に形容詞・副詞がついて、その後に that という接続詞があって、結果を表す文が続くという構文。
「とても~なので、~だ」という意味を表す構文で、これが too… to~.構文と同じ意味の文ってことで同じ意味の文に書き換えなさい、みたいな問題で出されるのよね。
He was so hungry that he could not walk.
という文との書き換えという形で出題されるのは定番中の定番だな。

He was (  )hungry (  ) he could not walk.
 = He was (  ) hungry (  )walk.

……という穴埋め問題みたいなやつね。
そんなことやらせて英語力を判断しようだなんて、学校の試験ってしょーもな~、って感じだけど、点数とるためには慣れておくしかないわな。

似たような表現に …enough to ~ というのもある。

You are old enough to know what is right and what is wrong.
(おまえさんはもう、何が正しくて何が間違っているか十分に分かる歳だろが。)

この enough というのは「十分に」という意味で、形容詞や副詞の後につけると「十分に…」という意味で強調する。
too … to~ が「できない」という否定の意味を表したのに対して、enough to~ は、「十分…だから~できる」という可能の意味になるね。
これもついでに覚えておこう。

……というわけで、だんだん試験対策みたいな話も出てきちゃって俺としても心苦しいんだけど、まあ、クイズやゲームをプレイするみたいな感覚で楽しんでいこうや。
凡太 はい。

ほんじゃ、今回も長くなっちまったから、今日はここまでにしておくよ。
ちゃんと練習問題やれよ。
凡太 ……はい……




今日のポイント


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