20 助動詞の働きをする連語


They must do it.
(彼らはそれをしなければならない。)

They had to do it.
(彼らはそれをしなければならなかった。)


郷センセ  じゃあ、いつものように練習英作文に挑戦だ。分からない単語は辞書ソフトやネットで調べていいぞ。
くどいようだけど、ちゃんとノートに書いて答えるんだぞ。つづりのミスもチェック!
答えは下にまとめて書いておくよ。

1. 今日はサッカーの試合を見に行くぞ(be going to を使って)

2. 夏が来る前に痩せなくちゃ。(must を使わずに)

3. そんなこと気にしなくていいよ。

4. そんなことすると後でひどい目に合うぞ。(pay for it という言い方を使って)

5. 彼は何がなんでも金を都合する必要があった。(make money という言い方を使って)

6. ハナコは、来年はもっとテニスがうまくなっているだろうね。

7. あいつのいうことは信じないほうがいいよ。

8. すぐに医者に診てもらったほうがいい。

9. それは怒ってもいいわ。(be able to を使って)

10. 多くの死体を前にして、彼らは一言も言葉を発することができなかった。(be able to を使って)

答え

1. 今日はサッカーの試合を見に行くぞ(be going to を使って)
We're going to see the soccer game.
We will ~ でもいいが、be going to ~ だと、ある程度前から計画していた感じが出る。
will と be going to の違いは微妙なところがあるが、will はその場で決めた感じ、be going to はある程度既定路線だった感じ。

What time will you leave home tomorrow?
(明日は何時に家を出るつもりなの?)
I'm going to leave at 10 in the morning.
(朝10時に出るつもりだよ。)


2. 夏が来る前に痩せなくちゃ。(must を使わずに)
I have to lose weight before summer.
「痩せる」は lose weight という。weight は「体重」だから「体重を失う=痩せる」という熟語。
「夏が来る前に」は before summer でよい。いちいち「来る」に引っかからないこと。
英作文では日本語の一字一句を全部訳そうとすると行き詰まる。何を言おうとしているのか、という全体の意味の把握と、それをいかに簡単な英語でいえるかを考える。
have to = must だが、どちらかというと must はきつい言い方。have to のほうが気軽に幅広く使える。


3. そんなこと気にしなくていいよ。
You don't have to worry about it.
「心配する」という動詞は worry 。「それに対して」という意味で about it をつけた。
「~しなくてよい」は need not ~ でもいいが、don't have to は最も普通に使われている。過去にするには didn't have to ~ とすればよい。


4. そんなことすると後でひどい目に合うぞ。(pay for it という言い方を使って)
You'll have to pay for it.
pay はお金などを「払う」「(金銭や価値を)与える」という意味。
The job will pay twenty thousand yen a day.
(その仕事をすれば1日2万円になるだろう。)

そこから転じて「報復する、お返しをする、懲らしめる」といった意味を表すこともある。 You'll pay for your word.
(そんなこというと、後悔するぞ=そのうちに報いを受けるぞ)
↑この pay は、自分が言った言葉(your word)に対して「支払いをする」ことになる=その報いを受ける=後悔する……といった意味になる。後に目的語を伴っていないので、この文では pay は自動詞として使われている。
解答例の will have to ~ は、「~しなければならない」の have to ~ を未来の文にするために助動詞 will をつけた形。


5. 彼は何がなんでも金を都合する必要があった。(make money という言い方を使って)
He had to make money by all means.
「必要があった」=「しなければならなかった」だから have to でいえる。過去の文だから had to ~。
make money(金を作る)=金を稼ぐ。ここも「都合する」という日本語表現にこだわると行き詰まる。要するに金を作らなければならなかった、という意味だから、文字通り make money でよい。
「何がなんでも」は by all means 。この means は「手段」という意味の名詞で、sがつく。「意味する」の mean とは別物。
「すべての手段によって」=「なにがなんでも」ということ。


6. ハナコは、来年はもっとテニスがうまくなっているだろうね。
Hanako will be able to play tennis better next year.
「テニスがうまい」=「じょうずにテニスをする」= play tennis well。
この well という副詞の比較級は better 。play tennis better とすれば「(今より)もっとうまくテニスをする」になる。
これを未来の文で will をつけると、will can ~ と助動詞を2つつなげることはできないので、can のほうは be able to を使えばよい。

いっそ play という動詞を使わずにいえないか……と考えれば、
Hanako will be a better tennis player next year.
ともいえる。この better は tennis player を修飾しているので形容詞 good の比較級。


7. あいつのいうことは信じないほうがいいよ。
You should not believe him.
 または、
You had better not believe him.
「~したほうがいい」は had better より should を使うほうが無難。アメリカ人は had better に脅迫じみた強いニュアンスを感じるらしいから。
ただ、試験では had better の使い方を知っているかどうか確かめようとするようなダサい試験もあるから、had better を試験用に覚えておく必要はある。
試験では、例えば穴埋め問題で、

You had better (   ) go.
の(   )には何が入るか、みたいなのがよく出る。

ア not
イ to not
ウ not to
エ don't

……みたいなやつ。

had better ~ の否定は
had better not
~。
~は動詞の原形がくる。
「いうこと」の「いう」にはこだわらなくてよい。要するに「彼のことを信用するな」といっているわけだから、単純に
believe him (彼を信用する)だけでいい。
believe in ~(~のことを信じる)という言い方もあり、これのほうが強い言い方。「~の存在を信じる」「~の教えを信じる」「~が正しいと信じる」というようなニュアンスが若干加わる。
Do you believe in God?
(あなたは神を信じますか?)
I believe in Buddhism.
(私は仏教を信じています。)

Believe in yourself! You shall win!
(自分を信じろ! きみは絶対に勝つ!)
you will win を敢えて you shall win とすれば、「俺が勝たせてやる」「絶対に勝つ。そうに決まっている」「何がなんでも勝つんだ!」といった、意思が込められた強調表現になる。


8. すぐに医者に診てもらったほうがいい。
You had better see a doctor soon.
医者に診てもらう」は see a doctor という。
これだとなんだか自分が医者を「見て」いるような表現に思えるが、慣用句なので覚えるしかない。この see は consult (相談する)のような意味。consult a doctor ともいう。
「すぐに」は at once 、 immediately、 right away、 right now ……などでもいい。


9. それは怒ってもいいわ。(be able to を使って)
You were able to get angry about it.
そんなひどいことされたなら怒ることができる(可能)……というような感じで、be able to を使える。can や may でもいい。
「怒る」は get angry 。
内容からして過去のことをいっているのだろうから、be able to は過去形にする。主語が you や they なら were able to だし、彼や彼女なら was able to となる。
naturally (当然に、自然に、あたりまえに)という副詞を使って、
Naturally he got angry.
(当然のことだが彼は腹を立てた。)
といった言い方もできる。副詞を文の頭にもってきたことで強調した感じになる。


10. 多くの死体を前にして、彼らは一言も言葉を発することができなかった。(be able to を使って)
They were not able to say a word in front of many bodies.
be able to の過去の文だが、この文では not ~ a となっていて強調した表現になっている。
body は普通は「身体」だが、「死体」という意味もある。

A charred body was found.
(黒焦げの死体が一体発見された。)
charred=「炭化した」

明確にしたければ、dead body とか body of the dead といってもいい。


 知らない単語が出てくる都度、 weblio などの辞書サイトで使い方や発音を調べる癖をつけよう。
自分のアカウントを作れば、単語や例文をメモしておくこともできる(無料)。
受け身じゃダメだよ。自分から興味をもってどんどんやっていかないとね。
頑張れや~。

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