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17. 過去の文(2) 動詞の過去形は覚えるしかない

I am hungry.
(腹が減っている)

I was hungry.
(腹が減っていた)
Pochi runs fast.
(ポチは速く走る。)

Pochi ran fast.
(ポチは速く走った。)


郷センセ郷センセ:  今日も生徒は凡太か。前回に続いて今日も過去の文をやるよ。
前回は「助動詞を過去形にすれば過去の文になる」というのをやったね。今日は助動詞がない文を過去の文にする。
これも超簡単で、動詞を過去形にするだけだ。
最初にいちばんよく使うbe動詞の過去形を覚えようか。
be動詞の現在形は人称や数によって am  are  is の3つあったけれど、過去形は was と were の2つだけだ。
am と is は was、are は were になる。
簡単だな。
じゃあ、さっそく、
「ポチはどこにいる?」を英語で言うと?
凡太 Where is Pochi?
です。

そだね~。じゃあ、それを過去の文にしてみよう。
「ポチはどこにいた?」は?
凡太 is を過去形にするんですよね。is の過去形は was だから、
Where was Pochi?
……ですか?

そういうことだね。簡単だろ。
それに答えて「屋根の上にいたよ」と答えるなら、

Pochi was on the roof.

だ。
屋根は roof っていう。うちの屋根、みたいに、分かっている場所だろうから、the をつける。
簡単だね。
主語が you や複数なら are を were にすればいい。
じゃあ、「ハナコとポチはどこにいたの?」なら?
凡太 Where were Hanako and Pochi?
です。

そだね~。Hanako and Pochi は複数だから、be動詞は are 。過去の文だから were だね。
簡単だろ。

じゃあ、次はbe動詞以外の動詞、一般動詞の過去形だ。一般動詞の過去形には主語の人称や数は関係ない。どんな主語がきても同じ過去形だ。それは簡単でいいんだけど、過去形を覚えないといけないんだよな。それがまあ、大変といえば大変なんだな。
例えば、「ポチは速く走る」を英語にすると?
凡太 Pochi runs fast.
です。

そだね~。三単現だから runs だね。この run という動詞を過去形にすれば、
「ポチは速く走った」という過去の文になるわけだけど、run の過去形は ran っていう。u が a に変わって、発音も変わる。
run の「ラン」は日本語の「ラン」という発音に近いんだけど、 ran は「リぁン」みたいに、アとエが混じったみたいな発音になる。名古屋人が得意そうだな。
で、よく使う動詞ほど、固有の過去形をもっているから面倒くさい。

run ⇒ ran(走る)
come ⇒ came(来る)
go ⇒ went(行く)
buy ⇒ bought(買う)
catch ⇒ caught(捕まえる)
choose ⇒ chose(選ぶ)
cut ⇒ cut(切る)
eat ⇒ ate(食べる)

……他にもいっぱいあって、ここではいちいち挙げてられないから、あとは自分で覚えなさいね。

で、過去形を覚えるときは、一緒に「過去分詞」っていうのも覚えないといけない。過去分詞はまだやってないけど、すぐに使うことになるから、どうせなら一緒に覚えておけば二度手間にならないからね。
上の例を過去分詞まで並べると、

原形 ⇒ 過去形 ⇒ 過去分詞
run ⇒ ran ⇒ run(走る)
come ⇒ came ⇒ come(来る)
go ⇒ went ⇒ gone(行く)
buy ⇒ bought ⇒ bought(買う)
catch ⇒ caught ⇒ caught(捕まえる)
choose ⇒ chose ⇒chosen(選ぶ)
cut ⇒ cut⇒ cut(切る)
eat ⇒ ate ⇒ eaten(食べる)

……ってなる。
これを一つ一つ覚えなくちゃいけないのよ。小学校のとき九九を覚えたようにね。
凡太 うわ~~。いくつくらい覚えないといけないんですか?

よく使う動詞だけでも、ざっと100個はあるかなあ。九九より多いな。
⇒ここにまとめておいたから、見てごらん。
凡太 うわ~! 頭痛くなりそうっす。

まあな~。目眩がするかもしれないねえ。いっぺんに覚えようとせず、文例が出てきたときに一つ一つ覚えていくというのでもいいけどな。よく使いそうなやつは、一気に覚えたほうが楽ではあるな。
ただ、覚えるコツってのはあるよ。
よく見ると、似たパターンのがあるだろ。

buy ⇒ bought ⇒ bought(買う)
bring ⇒ brought ⇒ brought(持ってくる)
think ⇒ thought ⇒ thought(思う、考える)
catch ⇒ caught ⇒ caught(捕まえる)

なんかは似ているじゃん。
で、これは、
A - B - B
っていう変化のパターンだね。過去形と過去分詞が同じ。
そういうパターンを見ていくと、
A - A - A
っていう全然形が変わらないのもあって、そういう簡単なやつから覚えるという手もあるね。
A - B - C
って全部変わるやつがいちばんいやらしい。

似たような変化をする動詞をグループ別にまとめたのが
⇒この一覧表だ
俺ってなんて親切なんだろう。本来これは生徒であるきみたちが自分で考えてまとめるべきなんだよ。その作業をしているときにも覚えるからね。

あとは覚えるだけ。説明不要だな。

さてと、ここで少し救いがある。
すべての動詞が不規則に過去形を作るわけじゃない。多くの動詞は、原形に ed をつけると過去形、過去分詞になるんだ。
「ハナコは一匹の馬を見た」は、
Hanako saw a horse.
だけれど、
「ハナコはその馬を見つめた」なら、
Hanako watched the horse.
……ってなる。

see という動詞の過去形は saw だけど、watch という動詞の過去形と過去分詞は ed をつければいい。
こういう面倒のない動詞を「規則(変化)動詞」、see みたいに ed をつけて過去形、過去分詞が作れない動詞を「不規則(変化)動詞」って呼ぶね。
よく使う動詞ほど不規則変化するんだけど、その他多くの動詞は ed をつけるだけで済む。
だから、ありとあらゆる動詞の変化形を覚える必要はないってことだな。不規則変化動詞だけ覚えればいい。

規則変化動詞は楽だけど、三単現の s をつけるとき、
study ⇒ studies
って、なったみたいに「子音字+y」で終わる動詞 y を i に変えて ed をつける。
study ⇒ studied
あと、
stop → stopped
みたいに、「短母音+子音」で終わる動詞は、最後の子音字を重ねて ed をつける。

それと、発音は単に【d】と発音するもの、【t】と発音するもの、【id】と発音するものの3通りある。
【t】と発音するのは、最後が 【p】 【k】【f】【s】【θ】【ʃ】【tʃ】 という「無声音」(喉を使わず、空気が漏れるような音)で終わる語のときだ。
だから、looked も watched も stopped も、最後の ed は【d】じゃなくて【t】の発音だな。

【id】と発音するのは、最後が 【d】【t】 の音で終わる動詞の場合。
started (始まった)
visited (訪れた)
ended (終わった)
……みたいなやつね。
そのへんだけ注意していればいい。

……とまあ、覚えることはいろいろあるけれど、基本のルールはとても簡単だ。動詞を過去形にすれば過去の文になる、というだけのことだからね。

じゃあ、今日はここまで。後は過去形を覚える作業だな。九九を覚えたときのように、声に出して、かつ書きながら覚えてくださいな。
よく使いそうな不規則変化動詞は、覚えやすいように変化のパターン別に ⇒ここにまとめておいたよ。ほんっと、俺って親切だな。
凡太 はい。(……う~~ん、大変そう……)

今日のポイント:


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