14 英語的な発想とは?


Hanako's hair is blonde.
(ハナコの髪はブロンドだ)

Hanako has blonde hair.


郷センセ 今回も練習というよりはクイズだと思って挑戦してみてね。主語をどうするか、動詞をどうするか、ってことを考える訓練かな。 答えは下にまとめて書いておくよ。

1. ここはどこ? 私は誰?

2. コロナのせいで、来月も学校がないだろうな。(動詞 have を使って)

3. 「腹減ったか?」「ああ、鬼減りだわ~」

4. 2月は何日ある?(「2月」を主語にして)

5. オーストラリアでは英語を話す。(they を主語にして)

6. ポチには芸術が分からない。(eye を使って)

7. あいつには良心のかけらもない。(「良心」は conscience)

8. 新居の住み心地はどうだい?(How ~で始めて)

9. オーストラリアの冬は暖かいの?(オーストラリアの人を前にして、主語を you にしてみる)


答え

1. ここはどこ? 私は誰?
Where am I? And who am I?
「ここ」を主語として考えると Where is here? などとやりそうだが、「私は今どこにいるのか?」と考えれば、主語 I を使っていえる。このほうが英語っぽい。
2番目の文は普通に I を主語にした疑問文。疑問詞は文の頭に置くが、ここでは and(そして~)はただ文をつないでいるだけで、文の構成要素の語ではないので関係ない。


2. コロナのせいで、来月も学校がないだろうな。(動詞 have を使って)
We will have no school next month because of COVID-19.
「学校」を主語にせず、学校で授業を受ける「私たち」を主語に考える。「~のせいで」は because of ~ 。


3. 「腹減ったか?」「ああ、鬼減りだわ~」
"Are you hungry?" "Yes! Very!"
主語は「腹」ではないことは分かるね? 答えの文は、主語・動詞が省略されている。ちゃんと書けば、
Yes, I am very hungry. となる。
会話はキーワードだけでも成り立つから、
"Hungry?" "Very!"
だけでも通じるし、実際、こういう会話が日常的にあふれている。


4. 今年の2月は29日ある。(「2月」を主語にして)
February has twenty-nine days this year.
これも「ある」を have で表した言い方。
「その机には脚が3本しかない」は、
The desk has only three legs.
だったが、あれとまったく同じ言い方。
This February(この2月=今年の2月)を主語にしてもよい。
This February has 29 days.


5. オーストラリアでは英語を話す。(they を主語にして)
They speak English in Australia.
これも、英語を話すのは誰なのかと考え、主語を選ぶ必要がある。
不特定の「人々」を主語にする場合、自分がいる場所の人たち全般なら we だが、世間の人たち、とか、()の地の人たち、といった感じで自分を特に含めない場合は they を使う。


6. ポチには芸術が分からない。(eye を使って)
Pochi has no eye for arts.
「音楽が分かる」を have a ear for music といったのと同じように、「芸術品を見る目を持っていない」という発想。
「芸術」一般は art として、数えなくてよいが、ここでは絵画や彫刻などの美術作品ととらえて、あえて arts と複数形にしてみた。単数形で使ってもいい。


7. あいつには良心のかけらもない。(「良心」は conscience)
He has no conscience at all.
at all は否定語と一緒に使うと「まったく~ない」という強調の表現になる。


8. 新居の住み心地はどうだい?(How ~で始めて)
How do you like your new house?
「新居が気に入っている」なら、I like my new house. だが、その文を疑問文にすると、
Do you like your new house?(新居は気に入ってる?)
となる。これに疑問詞 how をつけると「どのように気に入っているか」=「どんな感じ?」という意味が表せる。
「住み心地」だから動詞は live かな? なんて考えているようではダメ。難しく考えなければ、単に、
Is your new house fine?
でいい。簡単な文章でいえないだろうか、と考えることが大切。


9. オーストラリアの冬は暖かいの?(オーストラリアの人に向かってきく場合。主語を you にして)
Do you have warm winters in Australia?
あなたがたオーストラリアの人たちは「暖かい冬」を have するか……という発想。
In Australia, do you have warm days in winter?
などともいえる。
オーストラリアの人に向かってきくのではなく、一般的にいうなら、
Do they have warm days in winter in Australia?
……と、they を主語にすればよい。
こんな風に、英文を作るときは、常に、主語は何にすればいいか、動詞はどうするか、ということを考える癖をつけること。
have という動詞は人だけでなく「物」を主語にしたいいかたがたくさんあるので、たくさん文例に接して感覚をつかもう。

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