郷センセ:
今日も生徒は凡太か。まずは前回のおさらいからだ。
「ハナコは英語をうまく話せる」
を英語にすると?

話せるは「can speak」ですよね。……で、これって「三単現」ですよね。だから、
Hanako can speaks English well.
そだね~。よく気がついたね。主語はハナコで3人称単数。ハナコが日本語をうまく話すのは事実というか、時間に関係ないから、現在の文だね。
しか~し、そうはならんのよ。
なぜか?
ここにはcanという助動詞があるだろ。助動詞を使っている文は、三単現を無視していいんだ。だからspeakにsはつけない。
つまり~……?
Hanako can speak English well.
そういうこと! 助動詞canがあるから、三単現のsはつけない。
じゃあ、それを疑問文にして、「ハナコは英語をうまく喋れますか?」だったら?
Can Hanako speak English well?
そういうこと。助動詞を主語の前に出せば疑問文になるんだったな。
じゃあ、もう分かるよな。否定文で「ハナコは英語をうまく喋れない」なら?
Hanako cannot speak English well.
そうそう! 助動詞の後にnotをつけて否定文だったな。
じゃあ、駄目押しで、否定の疑問文。
「ハナコは英語をうまく喋れないの?」は?
Cannot Hanako speak English well?
う~ん。そうなりそうなもんだけど、否定の疑問文のときは短縮形を使うのが普通なんだ。だから……?
Can't Hanako speak English well?
そだね~。いいね~。やるね~。
完璧だね。
じゃあ、ここからが今日の本題だ。
「ハナコは中国語をうまく話す」っていうのを、canを使わないで普通に言うとどうなる?

今度こそ「三単現」ですよね。
Hanako speak
s .....中国語……well.
中国語はChineseだ。日本語はJapanese、ドイツ語はGerman、フランス語はFrench、韓国語はKorean……。
これはみんな「○○人」っていう意味にもなる。Chineseは「中国人」、Japanese は「日本人」、Germanは「ドイツ人」……。
それと、形容詞も同じ形だ。Chineseは「中国の」「中国語の」「中国人の」っていう意味の形容詞にもなる。Chinese foodなら「中国料理」だな。
German shepherd(ジャーマンシェパード) とか French bulldog(フレンチブルドッグ) なんていう風に使っているから分かるよな。まあ、犬は雑種がいちばんだけどな。

じゃあ、
Hanako speaks Chinese well.
そだね~。三単現のs、忘れないね~。引っかからなかったね~。ぐっじょぶだね~。
じゃあ、次にこの、
Hanako speaks Chinese well.
を疑問文にして、
「ハナコは中国語をうまく話すの?」っていう文にしてみようか。

疑問文は助動詞を主語の前に出すんですよね。
この文はcanとかの助動詞がないから……
うん。そういうときは疑問文、否定文を作る助動詞を使うんだったね。なんだっけ?
doです。
助動詞のdoを使います。……だから……
Do Hanako speaks Chinese well?
……あ! 間違えた!
助動詞があると三単現のsはいらないんですよね。だから、
Do Hanako speak Chinese well?
ほんと君は素直で好きよ。そういう答えを期待していたんだな。
ところがどっこい、違うんだよね。
助動詞のdoだけは三単現があるのよ。esをつけて
doesってなるの。発音は「ダズ」。
英語ってほんと罠が多い、やらしい言語だよな。
ほわ~い?! いんぐりっしゅ ぴ~ぽ~!! って叫びたくなるよな。厚切りジェイソンに向かって。
文句言いたいところだけど、しょうがない。覚える、慣れるしかないのよ。
だから、ここは、
っていうのが正解。

ええ~?!
泣くな、少年よ! 世界は理不尽に満ちている。
言語を学ぶってのはこういうのの連続なんだ。英語と日本語は特にひねくれている。
じゃあ、ここまできたらもうできるな。
否定文にして、「ハナコは中国語をうまくは話さない」は?
Hanako does not speak Chinese well.
そだね~。できたじゃん。助動詞の後にnotを入れれば否定文だったな。
ちなみにdo notの短縮形はdon't だったけど、does notの短縮形はdoesn'tだ。
Hanako does not speak Chinese well. は、短縮形を使うと、
Hanako doesn't speak Chinese well.
だな。
ちなみにこの文だと、notはspeakよりもwellっていう副詞の意味を否定している感じが強いから、「うまくは話せない」「少しは話せる」って感じかな。
ついでに、この否定文をさらに疑問文にして「ハナコは中国語をうまくは話せないの?」ってのもやってみようか。どうなる?
Doesn't Hanako speak Chinese well?
そういうこと!
きみはほんとにできる子だな。すんばらしいわ。
で、こうきかれたときはどう答えるか……「まあ、うまくはないけど、少しは話すよ」だったら、
Well, she speaks Chinese a little.
なんて答えるかな。
この頭の Well, っていうのは、「よく」「うまく」っていう副詞じゃなくて「そうだなあ~」「う~んと……」みたいな意味で、曖昧に言うときなんかによく使う言葉だな。
文の頭にWell..がきたら、「そだね~、まあね~」みたいな意味、って覚えておけばいい。大阪人の「それな……知らんけど……」みたいなもんかな。
じゃあ、駄目押しでもう一個。
「ハナコはこのところよく寝ていない」は?
「このところ」はthese daysってのを使ってみようか。
Hanako doesn't sleep well these days.
そだね~。ハナコもコロナでストレス溜まっているんだろなあ。コロナ、やだね~。
じゃあ、今日はここまでにしておこうか。

はい。
今日のポイント:
- 助動詞がある文は三単現のsはつけない。助動詞にもなにもつけない
- しかし、助動詞doだけは例外で、三単現のdoesという形がある
- doesを使った文は、他の助動詞の文と同じで、動詞はsをつけない
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