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7. 疑問文・否定文の三単現


郷センセ郷センセ:  今日も生徒は凡太か。まずは前回のおさらいからだ。
「ハナコは英語をうまく話せる」
を英語にすると?
凡太 話せるは「can speak」ですよね。……で、これって「三単現」ですよね。だから、
Hanako can speaks English well.


そだね~。よく気がついたね。主語はハナコで3人称単数。ハナコが日本語をうまく話すのは事実というか、時間に関係ないから、現在の文だね。
しか~し、そうはならんのよ。
なぜか?
ここにはcanという助動詞があるだろ。助動詞を使っている文は、三単現を無視していいんだ。だからspeakにsはつけない。
つまり~……?
凡太 Hanako can speak English well.

そういうこと! 助動詞canがあるから、三単現のsはつけない
じゃあ、それを疑問文にして、「ハナコは英語をうまく喋れますか?」だったら?
凡太 Can Hanako speak English well?

そういうこと。助動詞を主語の前に出せば疑問文になるんだったな。
じゃあ、もう分かるよな。否定文で「ハナコは英語をうまく喋れない」なら?
凡太 Hanako cannot speak English well.

そうそう! 助動詞の後にnotをつけて否定文だったな。
じゃあ、駄目押しで、否定の疑問文
「ハナコは英語をうまく喋れないの?」は?
凡太 Cannot Hanako speak English well?

う~ん。そうなりそうなもんだけど、否定の疑問文のときは短縮形を使うのが普通なんだ。だから……?
凡太 Can't Hanako speak English well?

そだね~。いいね~。やるね~。
完璧だね。

じゃあ、ここからが今日の本題だ。
「ハナコは中国語をうまく話す」っていうのを、canを使わないで普通に言うとどうなる?
凡太 今度こそ「三単現」ですよね。
Hanako speaks .....中国語……well.

中国語はChineseだ。日本語はJapanese、ドイツ語はGerman、フランス語はFrench、韓国語はKorean……。
これはみんな「○○人」っていう意味にもなる。Chineseは「中国人」、Japanese は「日本人」、Germanは「ドイツ人」……。
それと、形容詞も同じ形だ。Chineseは「中国の」「中国語の」「中国人の」っていう意味の形容詞にもなる。Chinese foodなら「中国料理」だな。
German shepherd(ジャーマンシェパード) とか French bulldog(フレンチブルドッグ) なんていう風に使っているから分かるよな。まあ、犬は雑種がいちばんだけどな。
凡太 じゃあ、
Hanako speaks Chinese well.

そだね~。三単現のs、忘れないね~。引っかからなかったね~。ぐっじょぶだね~。

じゃあ、次にこの、
Hanako speaks Chinese well.
を疑問文にして、
「ハナコは中国語をうまく話すの?」っていう文にしてみようか。
凡太 疑問文は助動詞を主語の前に出すんですよね。
この文はcanとかの助動詞がないから……

うん。そういうときは疑問文、否定文を作る助動詞を使うんだったね。なんだっけ?
凡太 doです。助動詞のdoを使います。……だから……
Do Hanako speaks Chinese well?
……あ! 間違えた!
助動詞があると三単現のsはいらないんですよね。だから、
Do Hanako speak Chinese well?

ほんと君は素直で好きよ。そういう答えを期待していたんだな。
ところがどっこい、違うんだよね。
助動詞のdoだけは三単現があるのよ。esをつけてdoesってなるの。発音は「ダズ」。
英語ってほんと罠が多い、やらしい言語だよな。
ほわ~い?! いんぐりっしゅ ぴ~ぽ~!! って叫びたくなるよな。厚切りジェイソンに向かって。
文句言いたいところだけど、しょうがない。覚える、慣れるしかないのよ。
だから、ここは、


っていうのが正解。
凡太 ええ~?!

泣くな、少年よ! 世界は理不尽に満ちている。
言語を学ぶってのはこういうのの連続なんだ。英語と日本語は特にひねくれている。
じゃあ、ここまできたらもうできるな。
否定文にして、「ハナコは中国語をうまくは話さない」は?
凡太 Hanako does not speak Chinese well.


そだね~。できたじゃん。助動詞の後にnotを入れれば否定文だったな。
ちなみにdo notの短縮形はdon't だったけど、does notの短縮形はdoesn'tだ。
Hanako does not speak Chinese well. は、短縮形を使うと、
Hanako doesn't speak Chinese well. 
だな。
ちなみにこの文だと、notはspeakよりもwellっていう副詞の意味を否定している感じが強いから、「うまくは話せない」「少しは話せる」って感じかな。

ついでに、この否定文をさらに疑問文にして「ハナコは中国語をうまくは話せないの?」ってのもやってみようか。どうなる?
凡太 Doesn't Hanako speak Chinese well?

そういうこと!
きみはほんとにできる子だな。すんばらしいわ。
で、こうきかれたときはどう答えるか……「まあ、うまくはないけど、少しは話すよ」だったら、
Well, she speaks Chinese a little.
なんて答えるかな。
この頭の Well, っていうのは、「よく」「うまく」っていう副詞じゃなくて「そうだなあ~」「う~んと……」みたいな意味で、曖昧に言うときなんかによく使う言葉だな。
文の頭にWell..がきたら、「そだね~、まあね~」みたいな意味、って覚えておけばいい。大阪人の「それな……知らんけど……」みたいなもんかな。

じゃあ、駄目押しでもう一個。
「ハナコはこのところよく寝ていない」は?
「このところ」はthese daysってのを使ってみようか。
凡太 Hanako doesn't sleep well these days.

そだね~。ハナコもコロナでストレス溜まっているんだろなあ。コロナ、やだね~。

じゃあ、今日はここまでにしておこうか。
凡太 はい。


今日のポイント:


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