6 「目的語」をとる動詞 の練習問題



郷センセ じゃあ、次の日本文を英語にしてみてね。横着せずに、ちゃんと紙と鉛筆を用意して、実際に書いてみろよ。じゃないと身につかないぞ。動詞の後ろに名詞がくるかどうかを意識しろよ。三単現にも注意しろよ。答えは下にまとめて書いておくよ。

1. 俺はハナコを愛しているんだよ。

2. ハナコはトマトが好きだ。

3. ハナコとポチは毎日一緒に散歩を楽しんでいる。

4. ハナコは毎日一生懸命英語を勉強している。

5. うちの親父は毎日クルマを売っている。

6. 俺の姉貴は夜にヴァイオリンを弾く。

7. ハナコは午前中は何も食べない。(nothing を使って)

8. ハナコは野菜が好きなんだ。

9. あなたのお父上は大きな会社を経営されていますね。

10. ポチは脚が4本だけど、タマには脚がない。タマはヘビだもん。



答え

1. 俺はハナコを愛しているんだよ。
I love Hanako.
簡単だね。この文は、I が主語、love が動詞、Hanako が目的語。


2. ハナコはトマトが好きだ。
Hanako likes tomatoes.
1と同じ 主語+動詞+目的語 という構造の文。ただし今度は三単現なので動詞にsがつく。
Hanako loves tomatoes. でもいい。love を使うとトマトへの思い入れが like より強く、広く、深く感じられるね。トマト農場の経営者だったり、トマト料理の研究家だったり……という感じかな。
tomato は「母音字(a i u e o)」で終わる名詞だから、複数形にするときは es をつける。


3. ハナコとポチは毎日一緒に散歩を楽しんでいる。
Hanako and Pochi enjoy walking together every day.
「~を楽しむ」という意味の動詞は enjoy 。
enjoy tennis (テニスを楽しむ)
enjoy swimming (水泳を楽しむ)
enjoy dinner (夕食=ディナーを楽しむ)
三単現なら enjoys と s をつけるが、ここでは Hanako and Pochi は複数なので三単現にはならない。
「散歩」は walk でいいが、ここでは walking を使った。ちなみに「散歩する」を take a walk という表現もある。この場合の a walk は「散歩」という意味の名詞で、take の目的語になっている。


4. ハナコは毎日ガンガン英語を勉強している。
Hanako studies English hard every day.
三単現なので動詞 study にsをつけるが、study は「子音字+y」で終わっているので、yをiに変えてから es をつける。
「ガンガン」は「一生懸命」「熱心に」という意味だから、ここでは副詞の hard でいい。


5. うちの親父は毎日クルマを売っている。
My father sells cars every day.
「売る」という動詞は sell。「買う」は buy 。三単現なのでsを忘れずに。
ここでは売っているクルマは複数だろうから cars としておく。a car としても間違いではない。
「ガンガン売っている」「猛烈に売りまくっている」なら、sells cars hard だろうか。……お疲れさまです。


6. 俺の姉貴は夜にヴァイオリンを弾く。
My sister play the violin at night.
楽器を「演奏する」は、「play the 楽器名」で the をつけるのが普通。
play the guitar ギターを弾く
play the soprano sax ソプラノサックスを吹く

これに対して、スポーツをするというときの play は、後ろの目的語に the をつけない
play soccer サッカーをする
play baseball 野球をする
play tennis テニスをする

夜に」は at night 。1日の中の時間区分を表す表現(副詞句)としては、

in the morning 午前中に
in the afternoon 午後に
in the evening 夕方に

……などは in the ~ の形だが、

at noon (お昼に、正午に)
at night (夜に)

……は at を使い、the をつけない。
他に、

this morning(今朝)
tonight(今夜)
every afternoon(毎日午後には)
……といった表現では、in や at はつけないことに注意。


7. ハナコは午前中は何も食べない。(nothing を使って)
Hanako eats nothing in the morning.
三単現なので動詞にはsをつけて eats とする。
nothing は「何もない」……ゼロであるという意味の名詞なので、この語だけで否定の意味を表す。つまり、動詞の部分は否定形にしない
何も食べない」は eat nothing となる。
これを don't eat nothing とすると、否定の言葉が2つ入ってしまい、二重否定(何も食べないわけではない=少しは食べる=肯定)になるので注意。

「俺には何にも見えない」なら、
I can see nothing.

nothing は1語だが、no は名詞の前につけて否定を表すので、
Can you see no animals in this picture?
(この絵の中に動物が1つも見つけられないの?)
No. I can see no animals here.
うん。ここに動物なんてなんにも見えないよ。)
……といった使い方をする。no の後に数えられる名詞をつける場合、普通は複数形にする。

また no~ は not any~ という言い方もできるので、上の文は、
Can't you see any animals in this picture?
ともいえる。こちらのほうが強調した言い方。

さらに重要なのは、「~ないの?」と否定疑問できかれたときの答えは、後ろに肯定の文が続くときは Yes、否定の文が続くときは No で答えるということ。
日本語だと「~じゃないの?」「うん、違う」となるが、英語では「~じゃないの?」「いいえ(No)、違う」となる。


8. ハナコは野菜が好きなんだ。
Hanako likes vegetables.
野菜」は vegetable。ここでは野菜全般ということで複数形にしておく。
菜食主義者のことを「ヴェジタリアン(vegetarian)」というね。
ちなみに -ian というのは、人種や、ある特定の人たちを表す語尾。
barbarian  野蛮人
Hungarian  ハンガリー人
Asian  アジア人

Obatarian  オバタリアン、おばさま属……嘘……というか、これは日本語だな。


9. あなたのお父上は大きな会社を経営されていますね。
Your father runs a big company.
「あなたのお父上」は your father だが、この your にひっぱられて三単現のsを忘れないように。「あなた」は二人称だが、「あなたの~」は三人称。
run は「走る」という自動詞だけでなく「~を走らせる」「~を動かす」「~を運営(経営)する」……といった他動詞としても使う。
ここでは a big company (大きな会社)が run の目的語。


10. ポチは脚が4本だけど、タマには脚がない。タマはヘビだもん。
Pochi has four legs, but Tama has no legs. Tama is a snake.
手が2本、脚が4本……などの表現は have という動詞を使っていうことができる。「手が2本ある=2本の手を持っている」という発想。これは英語ではごく普通の表現。
The table has only three legs.
(そのテーブルには脚が3本しかない。)

だから、「ポチには脚が4本ある」なら、
Pochi has four legs.
三単現に注意。have の三単現は has 。
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