5 「三単現」の練習問題



郷センセ じゃあ、次の日本文を英語にしてみてね。横着せずに、ちゃんと紙と鉛筆を用意して、実際に書いてみろよ。じゃないと身につかないぞ。三単現かどうかに注意しろよ。答えは下にまとめて書いておくよ。

1. ポチは速く走る。

2. ハナコは毎日プールで泳いでいる。

3. ハナコとポチは毎日一緒に散歩している。

4. ポチは速く走れる。

5. うちの親父は毎日せっせと働いている。

6. お袋は英語を少しだけ話す。

7. (6に続けて)でも、お袋は中国語はうまく話せない。

8. 6月は雨がたくさん降る。

9. 今年の夏は雨がほとんど降らないだろう。

10. ポチは大食いだ。


答え

1. ポチは速く走る。
Pochi runs fast.
三単現の文なので動詞にsがつく。


2. ハナコは毎日プールで泳いでいる。
Hanako swims in the pool every day.
「プールで」のプールは決まったプールだろうから in the pool とする。


3. ハナコとポチは毎日一緒に散歩している。
Hanako and Pochi walk together every day.
主語がHanako や Pochi だけなら三人称単数だが、Hanako and Pochi とすると1+1=2で複数の主語になるから、三単現のsはつかない。
一緒に」という副詞は together。every day together よりも、together every day の語順のほうがいい。時を表す every day よりも、「一緒に」という副詞のほうが動詞の walk に強く結びついているから。


4. ポチは速く走れる。
Pochi can run fast.
助動詞 can があるから三単現のsはつかない。引っかからないように!


5. うちの親父は毎日せっせと働いている。
My father works hard every day.
「うちの親父」=「私の父」だから my father でいい。our(私たちの) father でももちろんいい。
「働く」という動詞は work 。work は「仕事」という名詞もある。
「せっせと」という副詞は「懸命に」「激しく」などの意味も表す hard でいいだろう。hard は形容詞もある。
a hard work(大変な仕事、辛い作業)
形容詞の hard には「激しい」などの意味の他「固い」という意味もある。反対語は soft (柔らかい)。日本語になっている「ハードとソフト」は「ハードウェア(hardware)とソフトウェア(software)」のこと(ware は「製品」「器」などの意味の名詞)。コンピュータ本体などの機器(固い製品)がハード(ウェア)で、ゲームソフトとか Windows とかアンドロイドなどのOS(オペレーティングシステム)など、物質としての形のない製品がソフト(ウェア)。


6. お袋は英語を少し話す。
My mother speaks English a little.
少し」は a little という副詞句で表す。eat a little なら「少し食べる」=「小食だ」という意味になる。動詞(speak)に三単現のsを忘れずに。


7. (6に続けて)でも、お袋は中国語はうまく話せない。
But she cannot speak Chinese well.
今度は助動詞の can があるから、主語が三人称単数でも動詞にsをつけてはいけない。「うまく」は well.


8. 6月は雨がたくさん降る。
It rains much in June.
一般的なことをいっている文だから動詞は現在形を使うが、主語が it だから三単現で rains とする。「少し」なら a little だが、「たくさん」という副詞は much。much は形容詞(たくさんの~)もあるが、形容詞の場合、数えられる名詞の前につくときは much ではなく many を使う。
much rain (大雨)
many dogs (多くの犬)
……「雨」は数えられないが、「犬」は数えられるので many。

「6月」は June 。「6月」は in June。
「夏に」なら in summer 。「2020年に」は in 2020 。


9. 今年の夏は雨がほとんど降らないだろう。
It will rain little this summer.
a little は「少し」だが、a を取って little だけにすると「ほとんど~ない」という否定の意味になる。この場合、動詞は否定形にしないことに注意。動詞を否定の形(not)にして、なおかつ little と一緒に使うと「ほとんど~ないわけではない」という二重の否定(弱い肯定)になってしまう。
It rains a little. (少し雨が降る。)
It rains little. (ほとんど雨が降らない。)
It doesn't rain little. (ほとんど降らないというわけではない。=少しは降る)

「夏に」は in summer だが、「今年の夏に」は this summer。
この this は「今度の」の意味。next(次の~)に近い意味。
this や next がつくと in や on といった前置詞(名詞の前につけて時や場所、手段などを表す。日本語の「助詞」に近い働きの言葉)はつけない。
○ this summer
× in this summer
この文では、this summer で副詞の働きをしている(副詞句)。


10. ポチは大食いだ。
Pochi eats much.
「少し」は a little だが、「たくさん」は much
ポチは三人称単数で動詞は現在だから、三単現のsを忘れずに!
← 解説に戻る   目次へ   次へ⇒
Facebook   Twitter   LINE
書籍版 「ゴージュン式英語塾」(1)(2)のご案内ページは⇒こちら